2020年度 ジャズ大賞・ジャズ協会長賞・奨励賞・功労賞

2020年度「ジャズ大賞」「ジャズ協会長賞」「奨励賞」「功労賞」についてお知らせします

2020年度「ジャズ大賞」「ジャズ協会長賞」「奨励賞」「功労賞」授与について

2020年9月吉日

一般社団法人日本ジャズ音楽協会
会 長  石 井 一
理事長  佐 藤 修

当協会は、2020年度の「ジャズ大賞」ならびに「ジャズ協会長賞」を発表いたします。また、今年度より「奨励賞」「功労賞」を新に設け、下記の方々に決定いたしましたことをここに謹んでお知らせ申し上げます。

なお、授賞式は毎年11月に開催致しておりましたが、今年度はコロナ禍につき、授賞式は来年に延期する事と致しました。

<2020年10月15日現在・五十音順>

 

*ジャズ大賞*

荒川康男(あらかわ・やすお)【ベーシスト】1939年6月12日生まれ

戦後まもなく関西で演奏活動を始めた荒川康男は、高校卒業と同時に東京へ。進駐軍のクラブやジャズ喫茶などで腕を磨き、上京してすぐにジョージ川口とビッグ・フォアに加入する。その後も沢田駿吾とダブル・ビーツ、西条孝之介とウエストライナーズなどに籍を置きながらジャズ以外のさまざまな演奏も経験。坂本九とのレコーディングや、映画『椿三十郎』『男はつらいよ』などサウンドトラックの演奏も行なう。モダン・ジャズのメソッドが日本に伝わらない頃、レコードを聴いて研究した。前田憲男(ピアノ)、猪俣猛(ドラムス)と組んだ“We Three”は近年まで継続した名コンボ。

 

池田芳夫(いけだ・よしお)【ベーシスト】1942年1月1日生まれ

18歳の時より5年間大阪交響楽団の前野繁雄氏に師事。23歳で上京。ゲイリー・ピーコック氏に師事。大野雄二トリオ、佐藤允彦トリオ、渡辺貞夫カルテット、菊地雅章セクステット、日野皓正クインテット、藤川義明イースタシアオーケストラ、ジャズファクトリー、宮沢昭カルテット等を経て、現在は自己のカルテット、ベース・ソロ、その他数多くのミュージシャンとのセッションで活動している。主なリーダーアルバムは『池田芳夫、高瀬アキ/エスプリ』、その他多数。日野皓正グループにてベルリン・ジャズ・フェスティバル(フィルハーモニーホール)、ニューポート・ジャズ・フェスティバル(カーネギーホール)に出演。渋谷ヤマハにてジャズ・ベースの講師。

 

稲葉国光(いなば・くにみつ)【ベーシスト】1934年4月29日生まれ

1968年2月、菊地雅章=日野皓正クインテットに参加。70年 日野クインテットを退団後は、石川晶のフリーダム・ユニティ、鈴木宏昌トリオ、山本剛トリオその他多くのコンボでライブハウス、スタジオ、コンサートで活躍。79年7月 山本剛トリオでモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演。2011年1月24日、リーダー・アルバム『bassin’(ベイスイン)』をリリース。共演者によると、どのようなタイプのミュージシャンと組んでも常に自己のサイコーのパフォーマンスが出来るベーシストだという。

 

岸のりこ(きし・のりこ)【ヴォーカリスト】1949年7月日6日生まれ

東京都出身。女子美術大学卒業後、演劇活動。その後ジャズ歌手として活動。1982年、当時日本では未知のサルサ音楽に転向。90年、東京キューバンボーイズの見砂直照氏の推薦を受けてキューバに留学、音楽活動。その後、ベネズエラのSony musicよりラテン・アメリカでメジャー・デビューし、アメリカ本土に拠点を移し活動。2000年より日本で再始動。自己バンドで国内外で活躍。CD『NORIKO』を再リリースの他、ラテン・ジャズ・ミュージシャンとも数多く共演、録音参加。2013年にCD『恋の12の料理法』を発表、見砂和照と東京キューバンボーイズの公演や他のアーティスト公演のゲスト出演などと共に、自己のライブ活動“Mis colors”“Noriko JAZZ con El Resto”を展開。

 

テディ金城(テディ・きんじょう)【ピアニスト、作編曲、リーダー】年齢未公開

鹿児島を本拠地に全国で活躍を続けるジャズ・ピアニスト。自己のスタイルを確立したピアノスタイリストとして、高い評価を得ている。年間を通して、北村英治、稲葉国光、 村上ポンタ秀一、マイク・プライス、ボブ・ケンモツ、ジミー・スミス、その他、数々の日本のトップ・プレイヤーや国際的アーティストを率いて、全国縦断ジャズ・コンサートを行い、各地で大好評を博している。伴奏者としては中本マリ、金子晴美、伊藤君子、シャンソンの金子由香利、その他オールラウンド的名手である。オリジナリティあふれるピアノ・サウンドは近作『South Wind to East & West Wind』で聴くことができる。

 

水橋 孝(みずはし・たかし)【ベーシスト】1943年3月2日生まれ

独自のテクニックと楽才に恵まれ,日本はもとより、アメリカ、ヨーロッパのミュージシャンの間で評判が高い世界的レベルのベーシストである。通称は、GON.MIZUHASHI。ハービー・ハンコックは水橋を「日本人の最もソウルフルな男」と称した。国内における活動としては、渡辺貞夫氏、日野晧正氏を始め一流といわれる総てのミュージシャンとの共演経験がある。現在は自己のトリオ、クヮルテットでコンサート活動中。年に1度の「クリスマス・チャリティ・ライブ」を行い収益金は(財)日本ユニセフへ委ねている。長年にわたりジャパン・ベース・プレイヤーズ・クラブの会長を務めた。

 

村岡 建(むらおか・たける)【サックス奏者】1941年1月12日生まれ

東京生まれ。高校3年でジョージ川口とビッグ・フォア・プラス・ワンに抜擢されて本格デビュー。五十嵐武要クインテット、ゲイスターズ、白木秀雄クインテット、小原重徳とブルーコーツ、沢田駿吾クインテットなどを経て、68年に日野皓正クインテットに参加。このグループでの斬新な演奏が高く評価され、トップ・テナー奏者となる。71年の退団後はスタジオ・ミュージシャンの仕事に主力を注ぎ、90年代には人気テレビ番組『オシャレ30・30』にも出演。一方で「アン・ジャズ・スクール」では34年にわたって講師を務めた。

 

*ジャズ協会長賞*

岩味 潔(いわみ・きよし)【プロデューサー、エンジニア】1935年1月31日生まれ

幼少より録音技術に関心を寄せ、学生時代に手掛けた『モカンボ・セッション』は日本におけるモダン・ジャズ黎明期の貴重極まりない記録として語り継がれている。日本テレビ放送網株式会社入社後に手掛けたテレビ番組の録音も、海外で大きな評価を得た。油井正一氏と作った「ロックウェル」レコードには、日本ジャズ史に残る貴重な記録が多く残されている。現在は毎月、第2木曜夕刻6時半より開催されるホットクラブ・オブ・ジャパンで幹事長を務めている。

 

岡村 融(おかむら・とおる)【レコード・プロデューサー】1934年8月1日生まれ

東京生まれ。坂本九、鈴木章治他のマネージャーを務めた後、1964年にポリドール株式会社に入社。企画立案した『幻のモカンボ・セッション』のレコード化、ヴァーヴ音源のビリー・ホリデイの編集盤のグラミー賞ノミネート等々、レコード・プロデューサーとして、30年以上に渡り日本のジャズ界の牽引役として活躍した。コレクターでもあり、その豊富なジャズの知識を存分に活かし、今も執筆活動に余念がない。ホットクラブ・オブ・ジャパン理事。

 

寺島靖国(てらしま・やすくに)【ジャズ評論家、レーベル主宰】1938年2月11日生まれ

東京生まれ。早稲田大学文学部独文科を卒業。会社勤務を経て1970年、東京の吉祥寺にジャズ喫茶「メグ」を開店(2018年惜しまれつつ寺島がオーナー兼マスターを務めたメグは営業を終了)。雑誌にジャズ、オーディオに関する評論、エッセイを発表。なにものにも属さない評論にはファンが多い。2007年、寺島靖国プロデュースによる「寺島レコード」を発足。現在に至るまで多数のアルバムをリリース。著書は『JAZZピアノ・トリオ名盤500』(大和書房)、『JAZZ オーディオ悶絶桃源郷』(河出書房新社)、『辛口! JAZZノート』 (講談社)、『テラシマ円盤堂』(ONTOMO MOOK)『JAZZ遺言状』(DU BOOKS)など多数。

 

悠 雅彦(ゆう・まさひこ)【評論家】1937年11月1日生まれ

神奈川県生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。早大ハイソエティ・オーケストラのヴォーカリストから北村英治グループらの専属を経て、1969年、ジャズ評論家として独立。日本を代表するジャズ評論家のひとりとして第一線で活躍。1975年、評論活動の一環として自らWhyNotレーベルを設立、多くの有能なアフリカンアメリカン系ミュージシャンを広く世に紹介した。2004年よりウェブ・マガジン「JazzTokyo」の編集主幹としてジャズ・ジャーナリズムをリードし続けている。著書に『ジャズ 進化・解体・再生の歴史』(1998 音楽之友社)、共著に『ジャズCDの名盤』(2000 文春新書)。

 

*奨励賞*

挾間美帆(はざま・みほ)【作編曲、指揮、ピアノ】1986年11月13日生まれ

国立音楽大学およびマンハッタン音楽院大学院卒業。これまでに山下洋輔、東京フィルハーモニー交響楽団、ヤマハ吹奏楽団、NHKドラマ「ランチのアッコちゃん」などに作曲作品を提供。NHK交響楽団、テレビ朝日「題名のない音楽会」などへ多岐にわたり編曲作品を提供する。New York Jazzharmonic(アメリカ)、Metropole Orkest(オランダ)、Danish Radio Big Band (デンマーク)、WDR Big Band(ドイツ)等からの招聘を受け、作編曲家としてだけでなくディレクターとしても国内外を問わず幅広く活動している。2016年には米ダウンビート誌の「未来を担う25人のジャズ・アーティスト」にアジア人でただ一人選出され、2019年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100」に選ばれるなど高い評価を得る。

 

*功労賞*

大橋美加(おおはし・みか)【ヴォーカリスト】1959年8月29日生まれ

短大在学中にプロ・デビュー。1986年、日本ジャズ・ヴォーカル賞新人賞を受賞。以降、レイ・ブライアント他ビッグネームと共演。シネマ・エッセイストとしても3冊の著作を発表。1996年4月より、NHK-FMジャズ番組の構成、選曲、DJを足かけ10年間担当。2005年11月6日より衛星デジタルラジオ『美加のNice ‘N’ Easy Time』が放送中。2014年12枚目のリーダー・アルバム『With Love to Nat』を発売。2016年、83歳の母親・マーサ三宅を初めてゲストに迎え、家族への思いを込めたハートウォーミングなアルバム『HOME』を発表。CD『HOME』はJAZZ JAPAN誌AWARD 2016特別賞受賞。2017年6月、自身初の自叙伝「父・巨泉」を上梓。2018年、第34回日本ジャズボーカル賞大賞受賞。CD『Cinemaful Life』はJAZZ JAPAN誌AWARD2019制作企画賞受賞。

 

髙山惠子(高山恵子)(たかやま・けいこ) 【元「ジャズワールド」副編集長、ヴォーカリスト】

宇都宮出身、早稲田大学卒業。タンゴ、ラテン&ジャズ・ヴォーカリスト、大学非常勤講師。ジャズ月刊紙「ジャズワールド」は、ビブラフォン奏者である伯父・内田晃一氏を編集長として1979年に第1号を発刊。ミュージシャンやヴォーカリストなどの編集スタッフによって運営されたジャズ界唯一の専門新聞。国内ジャズ・イベントの詳報、国外ミュージシャンの動向、海外ジャズ・ニュース、著名ライブハウスの月間スケジュール、新譜CD紹介などを網羅し情報発信してきたが、2020年2月惜しまれつつ休刊。その副編集長として長年携わる。ジャズワールド主催「日本ジャズ・ヴォーカル賞」の選考委員も1998年より務める。歌手としても今年21周年を迎え、2009年より旗揚げした「楽団南十字星」は内田晃一とともに HUB浅草店にレギュラー出演中。

(以上)